ABC分析は、限られた人員と時間を「本当に重要な備品」に集中させるための基本手法です。どの備品にコストや手間がかかっているのかを見える化し、DXと組み合わせることで、現場のムダ削減・安定供給・在庫リスクの低減へとつなげやすくする取り組みです。
ABC分析とは、売上高・在庫金額・出庫頻度といった指標をもとに、品目や顧客をA・B・Cの3つのランクに分ける管理手法です。
この手法の根底にあるのは「重点管理」という考え方。すべての品目を同じように管理するのではなく、利益や売上への貢献度が高いものに、限られた人員や保管スペースを優先的に振り向けようという発想です。
もともとは在庫管理の分野で広く使われてきましたが、現在では調達計画・販売計画・得意先管理など、製造業・物流業・小売業といった幅広い業種で活用されています。備品管理においては、「どの備品に厳格な在庫管理や補充ルールを適用すべきか」を見極めるための基礎となる考え方です。
ABC分析では、対象となる品目や備品を売上高や使用金額の大きい順に並べ、累積構成比を計算してランク分けします。
一般的な目安として、全体金額の約7〜8割を占める上位の少数グループを「Aランク」、次の2〜3割程度を「Bランク」、残りを「Cランク」とします。
このようにランクごとに管理レベルを変えることで、限られた人的リソースを効率的に配分できます。備品管理では、在庫精度の維持や補充頻度の設計に活用できます。
ABC分析は、以下の3つのステップで進めます。
まず、分析したい備品や在庫の一覧を洗い出します。
次に、何を基準にランク付けするかを決めます。たとえば「年間使用金額」「出庫回数」「在庫金額」などが代表的な指標です。必要に応じて、集計する期間(1年間、半年間など)も統一しておくと、データを比較しやすくなります。
指標の値を品目ごとに集計したら、金額や回数の大きい順に並べ替えます。
そして、上から順に累積構成比を計算していきます。「上位○品目で全体の何%を占めているか」を確認することで、どこまでがAランクか、Bランクかの境界が見えてきます。
累積構成比が70〜80%程度に達するまでの品目を「Aランク」、その次を「Bランク」、残りを「Cランク」といった目安でランク付けします。
ランクが決まったら、それぞれに応じた管理ルールを設定します。たとえば次のようなルールです。
このようにメリハリをつけることで、重要な備品にしっかり時間を使う一方、そうでないものには手間を省くことができるようになります。Excelや在庫管理システムに反映させておけば、日々の運用がスムーズになるでしょう。
ABC分析は、DX(デジタルトランスフォーメーション)と組み合わせることで、さらに効果を高めることができます。
在庫管理システムや専用ツールを導入すれば、売上データや使用データを自動で集計し、あらかじめ設定した基準に従ってA・B・Cランクへ自動的に分類できるようになります。
これにより、これまで手作業でExcelに入力して集計していた作業が不要となり、リアルタイムの在庫金額や出庫傾向をもとにランクを更新することが可能。現場の状況が変わったときにも、すぐに重点管理の対象を見直せるため、常に適切な管理体制を維持しやすくなります。
さらに、クラウド型WMS(倉庫管理システム)や生産管理システムと連携させれば、ABCランクに応じた運用の自動化も可能になります。たとえば次のような運用の自動化です。
このように、ランクに応じた発注点の設定や棚卸し頻度の自動切り替えができるため、よく使う備品を欠品させず、動きの鈍い備品は在庫圧縮の候補として可視化できます。結果として、在庫過多や欠品リスクを抑えながら、物流・生産のパフォーマンス向上が実現します。
ABC分析は、限られた人員や時間を「本当に重要な備品」に集中させるための考え方です。
これをDXと組み合わせれば、ランク付けの自動化や在庫データとの連携が進み、現場でのピッキングや発注作業もムダなくスムーズに回転する体制を構築できます。自社の運用に合った備品管理ツールを導入して、効率化を具体的な成果へとつなげていきましょう。
備品の種類は使う場所や業界によって多種多様なもの。備品に関して解決したい問題も異なります。それらの問題は備品管理システムを導入し、DX化することで解決を図りましょう。ここでは業界別でおすすめの備品管理システムをご紹介。ぜひDX化を進めるための参考にしてください。


